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salvage antiques

救われしモノの美しさ…


by roshi

Napoléon III Style の 鏡

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空間に奥行きをもたせたり、窓の変わりに部屋を明るくする効果を持つ「鏡」


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常に姿が見える位置に置くと疲れてしまいますが、鏡は姿を映すだけではなく、インテリアとしても様々な役割を果たしてくれる様です。壁にかけたのは、19世紀末のフランスに見られる細かな黒のレリーフが施された極限的なナポレオンⅢ世様式の鏡です。経年劣化によってフレームの角の装飾が欠け、裏側の留め板が反り、鏡は白く腐食していたりと、本来の鏡としての機能を果たす事は出来ないかもしれませんが…「鏡」というモノとしての概念と、それでも微かに機能する特性が、新しい鏡には表現する事の出来ない雰囲気を、その置かれた空間にもたらせてくれる様に思えます。。

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Japonisme に見られる様に、ただの鏡ではなく、この鏡に魅了されるのは必然だったりする?
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鏡に「映る」という現象は、古来極めて神秘的なものとして捉えられた。。鏡の面が、単に光線を反射する平面ではなく、世界の「こちら側」と「あちら側」を分けるレンズのようなものと捉えられ、鏡の向こうにもう一つの世界がある、という観念は世界各地で見られます。取り分け古い鏡には、長い年月を遡り、そこに映し出されて来ただろう数々の景色や物語を感じて…今そこに映っている姿が、母親が幼い子の姿を見る様な優しい眼差しにも重なったりもします。。

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古い鏡を怖がる人がいますが、怖さも美しさも長い年月の中では、実は同一であったりもするのです。。


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by roshi303 | 2013-03-19 23:14 | Napoléon III Style