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salvage antiques

救われしモノの美しさ…


by roshi

egoism 〜奇跡を願う〜

※画像は文面とは異なります。
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床に就き、意識が遠き始めた頃、tinaのニャー…と言う声が聞こえた様に思えた。「roshiさん! 起きて、tinaが最後かもしれない…」そんな言葉で飛び起きると、ソファーの上で横たわるtina、その横でtaeさんが体をさすってあげている。

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「体が冷たくなっているみたい…」手が斜めに折り曲がったままの状態でぐったりとしている。。時折、涙目で天を仰ぎ「ニャ〜〜!」と叫ぶ声は生まれて来た理由を自問し、一生を顧みている様にも思えた。既に視力も薄れているのかも…

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ヒトもネコも隔てる事なく生まれ死んで行く運命…命の尊さに順位などはない、「ありがとう、ありがとうね」 と 涙ながらに離れた場所からtaeさんがtinaに語りかけている。捨てられていたtinaを見つけた私とtinaとの絆。一番近くで最後を見届ける事は私の責務でもあり、taeさんが私にその場所を譲ってくれているのだと悟った。tinaの額を撫でながら「ありがとう」と語りかける。そんな時間が流れ、折れ曲がった手を直そうとtinaの手を触ると…鳴き声に激しさが増す。

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「うん?」 ネコと暮らした事のある方なら察しがつくかと思いますが…爪がソファーにひっかかってしまいtinaはソファーに向かって怒っていただけなのです。。「taeさん…爪がひっかかって怒っていたのでは?」慌ててハサミでソファー生地の端を切り自由の身になったtinaは、偉い目にあったと体をブルブルっとさせた。喉が渇いていたのでしょう、水をグビグビと飲んでいる…そんな様子を見てtaeさんと目を合わせ泣き笑いする。もともと腎臓機能が弱いのにも関わらず悪性の腫瘍切除の手術を行い、術後は良好であったものの、日に日に食欲が減退。獣医からは末期の腎不全で余命はもって一ヶ月と宣告された日から、気持の覚悟は出来ている。朝に点滴、胃薬の入った高カロリーペーストを注入器から無理矢理に口に運び、夜は活性炭入りのペーストを口に運ぶ。捕まえ抑え役の私は、少々嫌われてしまいましたが。。それでも、具合が悪いながらも体調が良い日と悪そうな日があって、その度に覚悟と希望が入れ替わる日々が続いている。

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あの夜中の事件?から一ヶ月近くが経ち、具合が良い日と悪い日を繰り返しながらも体重も少し増え自力で餌を食べたり、部屋の中を散歩する様になったり、私のベッドの上で横になってリラックスして寝ている姿を良く見かける様にもなりました。延命処置の是非は賛否両論ではありますが、最後は少しでも苦しまずに穏やかに過ごしてもらいたい…と願いたいものです。受け入れがたい運命に反した家族のエゴイズムは奇跡へと転換できるのだろうか…<tina17才>
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by roshi303 | 2015-05-23 11:20 | Cat